|上へ|

放浪剣士ゾル・ギフィウスと仮面の妖魔

あらすじ

 大陸全土を支配し繁栄の絶頂にあった帝国が、海の果てから流れ込んだ〈霧〉により一夜のうちに滅ぼされて二十年。
 大陸北西部に広がる大森林地帯のど真ん中、樹齢数千年を超える巨木の間を走る街道に一頭の粕毛馬があった。
 その背中で手綱を握るは、全身灰色の長身の男。
 灰色のマントを身にまとい、灰色の髪と青灰色の瞳を持つ男の名は……ゾル・ギフィウス。
 身長は百九十センティ・メドール。
 長い手足と筋骨隆々の体をマントの下に隠し、二十メドール先も見えない霧の中、ゆっくりと馬を進めていたゾルが、ふと馬を停め、フードを脱いで耳を澄ました。
 遠く街道の石畳の上を爆走する車輪の音が微かな風にのって聞こえてくる。
 濃霧で視界の狭まっているこの街道の上で、危険も顧みず馬車を走らせているのは、いったい何者か?
 やがて、爆音とともに霧の中から現れた一台の馬車。
 乗っているのは、幼き少女とその父親。

 霧の大陸を舞台に正義の剣士が悪を切る! 痛快冒険活劇ここに開幕!

 この小説には、残虐・残酷な描写が含まれます。ご注意ください。
 この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。