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僕とサエコ、十四歳のオッドヤークト町事件簿

あらすじ

 心霊学と工学を応用した兵器が、人の肉体だけでなく魂をも攻撃するようになった時代。
 第四次霊魂戦争の末期、僕は激しい戦火を逃れ、生まれ育った都市を捨てて祖父の住む田舎町オッドヤクートへ疎開した。
 戦争が終結してしばらく経った冬の日の朝。
 僕は、遠くからやってくる汽車を駅のプラットフォームで待っていた。汽車には少女が乗っているはずだ。
 いったい、どんな女の子だろう? たくさんの期待と少しの戸惑いで僕の頭は一杯だった。
 水素ボイラー式蒸気機関車がホームに入って来た。客車の扉が開いて、薄緑色のロングコートを着た少女が現れた。
 少女の名はハルノシマ・サエコ。
 彼女がこの町に来て数日後、僕はオッドヤクートで起きた世にも恐ろしい事件に巻き込まれてしまった。