青葉台旭のノートブック

秋の気配

今日は、9月1日。

まだまだ残暑が厳しい。30度超えの日が続く。

その一方で、「暑さの峠は越えたな」という肌感覚も確かに有る。

昼日中に街を歩いていて、流れる風が思った以上に爽やかだと気づいた。

日向(ひなた)を歩いてると、さすがに「暑いなぁ」と思ってしまうが、最盛期のジリジリするような暑さに比べれば日差しも柔らかい。

日陰のベンチに座ると、頬を撫でる風に涼しささえ感じる。

湿度が下がっているのだろうか?
木々の葉やビルディングの輪郭線がクリアだ。

昨日、用事があって真夜中にコンビニへ行った。
夜風が涼しかった。

夏の気温と秋の空気感が同居する、夏でも秋でもないこの新しい「季節」を何と言い表そうか。

 * * *

昭和の時代、多くの日本人が潜在的に「南国への憧れ」を持っていたと思う。

戦前の小説には、東南アジアや南太平洋の島々への憧れを感じる作品がチラホラと有る。

戦後の怪獣・特撮映画の中にも、(架空の)南の島を舞台にしたものが少なくない。

日本人の俳優たちが全身に茶色のドーランを塗り、半裸になって「原住民のみなさん」を演じるという、今となっては再現不可能な微笑ましさがあった。

大きな声では言えないが、私は原住民風セパレート水着を身にまとった褐色系2Pカラーの水野久美が大好きだ。

もちろんX星人の水野久美も大好きだ。

ていうか、水野久美が大好きだ。

さらに高度成長期以降、ハワイや南カリフォルニアなどアメリカへの憧れも加わった。

茂るヤシの木、白い砂浜、プールサイド、冷たいトロピカル・ドリンク、アロハシャツにサングラス、オープン・カー。

昭和の日本人は、とにかく南国情緒が大好きだった。

 * * *

時代は下って、令和。

もう、日本そのものが南国。

街路樹にヤシの木を植えても、たぶん普通に育つ。

逆に、ここ数年、イチョウの木に異変が起きている。(と、私は密かに思っている)
街路樹として植えられているイチョウの中に、秋になっても冬になっても、黄葉しない個体が出てきている。
いつまでたっても、葉を青々とさせているイチョウが有る。

2023-09-01 17:59