映画「レフト -恐怖物件-」を観た
映画「レフト -恐怖物件-」を観た
U-NEXT にて。
脚本 デヴィッド・コープ
監督 デヴィッド・コープ
出演 ケヴィン・ベーコン 他
ネタバレ注意
この記事にはネタバレが含まれます。
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ひとこと感想
原題は「You Should Have Left」
「立ち去るべきだった」という意味か。
おそらく「この家から立ち去るべきだったのに、もう手遅れだ」という含意なんだろうな。
なかなか邦訳が難しい題名ではある。
あ、そうか、「leave」には、「立ち去る」の他に、「別れる」「置き去りにする」という意味もあるから、それら全てを含んだ「You Should Have Left」か。
ますます日本語にしづらいタイトルだ。
しかし、だからと言ってこのタイトルは如何(いかが)なものかと思う。
レフト? 左? 意味わかんない、ってなる。
「去るべき家」とか、どうかな。
内容について
ホラーというより、ダークな大人のメルヘンといった感じだった。
ラストのオチの付け方は、
「納得は出来るけど、まあ、こんなものか」
といった感じ。
ヨーロッパの童話にしばしば見られる、人間の魂を取る悪魔の話。
なるほど「悪魔に魂を奪われる」というのは、罪悪感の暗喩でもあるのだな。
カラッとした、というより光化学スモッグで曇った南カリフォルニアのプールサイドから始まり、ウェールズの薄ら寒い原野にポツンと建つ一軒家で終わる物語。
近代物質文明の権化であるアメリカ人セレブ家族が、ヨーロッパの人里離れた土地に今も染みつく中世的な価値観に囚われていく話。
往年のイタリア製ジャッロ映画が得意だったパターンだ。
19世紀ゴシック小説の類型の1つに、
「当時世界一の最先端都市だったロンドンのアッパーミドル家庭に生まれて近代教育を受けた聡明な主人公が、とある事情から人里離れた森の古城で暮らす事になり、恐ろしい体験をする」
という物語がある。
この映画は、その21世紀バージョンなのかもしれない。
ゴシックとは「中世そのもの」の事ではなく、「近代から見た中世」の事だ。
映画の上映時間について
「レフト -恐怖物件-」の上映時間は、だいたい1時間30分だ。
「上映時間は90分が最適」と良く言われる。
なぜ90分が最適と言われているのか、この映画を観てその意味が分かった。
ひとことでいえば 中庸の利点 だ。
短編小説のように1つのアイディアで勝負する事も出来るし、長編小説のようにシッカリした構成で魅せる事も出来る。
中庸であるがゆえに、汎用性が高い。
前述の通り、この映画は特に切れ味が鋭い訳でもないし、重厚な物語という訳でもない。
それでも大した不満もなく「まあまあ楽しめた」という感想に落ち着いたのは、90分で終わってくれたからだろう。