昨日(5月10日)も良い天気だった
昨日(5月10日)も良い天気だった
おとといの雨で大気中のホコリが洗い流され、空気がクリアだった。
日差しが強くなりつつあると感じた。
実際、家に帰ると顔が赤くなっていた。
軽い日焼けだ。
1日1日、着実に、本物の夏が近づいている。
京王相模原線の稲城駅に行って来た。
調布で特急に乗り換えれば新宿まで30分ちょっと。
乗り換えなしの急行で40分の町。
住宅地の所どころに多摩森林の面影を残す、良い町だった。
現在、大規模な宅地造成が急ピッチで進んでいる。
いずれ、この広大な土地に規格化された住宅がズラリと並ぶのだろう。
令和のたぬき合戦ぽんぽこ、と言った所か。
少し複雑な気持ちになった。
私には、「都市と自然の境界線上に住みたい」という願望ある。
宅地造成をするパワーショベルを見ながら、
(『都市と自然の境界線上』とは、すなわち、人間が自然を侵略する最前線でもあるのだな)
と思った。
「文明の利便性を享受しつつ、日々、自然を感じる生活を送りたい」と思えば思うほど、人は、その恋焦がれていたはずの自然を破壊する。
森を身近に感じて暮らしたいと思えば、その森を切り開いて家を建てるしかない。
「自然を感じたいのなら、自然をリスペクトせよ」と人は言う。
しかし、今さら時計の針を千年前に巻き戻す訳にはいかない。
コンビニもネットの光ファイバーも無い生活は送れない。
光ファイバーといえば、稲城駅から少し離れると携帯の5G接続が途切れて4Gにダウングレードされる点が気になった。
この辺りは、まだ基地局の敷設が進んでいないのか。
公園があったので少し散策してみた。
気持ちの良い森林公園だ。
突然、頑丈なフェンスと鉄条網に行く手を阻(はば)まれた。
「ここから先はアメリカ軍の所有地であり、侵入した者は、うんぬん、かんぬん……」
と、英語と日本語で書かれていた。
google map で調べてみると、どうやら、広大な敷地に米軍家族専用のレクリエーション施設が有るらしい。
ここでまた、複雑な気持ちになった。
かつてバブル経済華やかなりし頃、
「日本はアメリカの保護下から出て軍事的独立を目指すべきだ」
という議論があった。
時代は下って、21世紀。
ウクライナ戦争で、まざまざと見せつけられ、気付かされたのは、
「民主主義の先進国だからと言って、他国からの侵略を受けないという保証は無い」
という事だ。
いくらこちらが「私たちは平和主義者です」と言ったところで、ひとたび大国の野心の標的になったが最後、イチャモン、インネン、デッチアゲ、ありとあらゆる難癖・理由をこねくり出され、侵略される。
我々が文明国だろうが、先進国だろうが、平和主義国だろうが、そんなこちらの都合は一切お構い無しに、大国は侵略して来る。
そして、もう一つ。
「今の日本には、何の支援も無しに自国軍(自衛隊)だけで大国の侵略から身を守るほどの力は無い。また、現在の日本の経済力から言って、単独で大国の侵略を撃退するほどの軍隊を維持するのは難しい」
大国の侵略を抑止し、また、ひとたび侵略された時にそれを撃退するための現実的な方法は、別の大国との同盟だ。
それが唯一の方法とは言わないが、もっとも安易な方法だ。
大国ロシアの侵略禍に遭(あ)う現在のウクライナにとって、アメリカが送り込む数千発とも1万発とも言われる対戦車ミサイルこそが最大の戦力だ。
アメリカ製ミサイル・ジャベリンこそ彼の国の命綱と言っても良い。
我が国の状況も、基本的には同じだ。
アメリカのミサイル、アメリカの戦闘機、アメリカの空母が無ければ、大国からの侵略には耐えられないだろう。
公園を散策していた私の目の前に突然現れたフェンスと鉄条網。
日本の国土でありながら日本人の立ち入りを禁止された広大な敷地(東京ドーム41個分)にあるのは、ミサイル基地でも飛行場でもない。
そんな、国防のために有用な施設ではない。
米兵が休日にガキンチョ共を連れて来てバーベキューをするためだけに作られた、ただのバーベキュー場だ。
考えようによっては、日本人にとってこれほど屈辱的な施設もない。
しかしその一方で、私はこうも考える。
もし、どこかの国がここに爆弾を落として米兵のガキンチョが100人死んだら、アメリカはその国を絶対に許さないだろうな、と。
(言ってみれば、この場所は日本の安全保障のための人質施設か……)
そう思い、無理やり自分を納得させて溜飲を下ろし、私はその場を去った。
近くに「装甲騎兵ボトムズ」の主役メカ「スコープドッグ」の等身大立像があったので、それも見て来た。
日本のアニメ史上もっとも小さい(人間が搭乗・操縦可能な)巨大ロボット。
その小ささこそが、スコープドッグ最大の魅力だ。
実物大の立像を目の当たりにすると、思った以上に小さかった。
これなら市街戦も不可能では無いと思わせる小ささだ。
将来、巨大ロボット物に挑戦する時の参考にしたい。