青葉台旭のノートブック

映画「ノロイ」を観た

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脚本 白石晃士、横田直幸
監督 白石晃士
出演 村木仁 他

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この記事にはネタバレが含まれます。

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ひとこと感想

フェイク・ドキュメンタリーとして出来が良い。リアリティと怪異のバランスが良い。

心霊ホラー映画におけるリアリティの本質は、
「登場人物の主観では超常現象が確かに起きているのに、客観的(世間的)には単なる事件・事故として処理されてしまう」
というスタイルの徹底だと思う。

あるいは、
「登場人物の目には幽霊の姿が確かに見えているのに、周囲の人間には認知されていない、信じてもらえない、証明できない」という構図の徹底。

あるいは、
「ふとカメラの隅に映り込んでしまった『何か』が、本当に超常的な存在なのか、フェイクなのか、それとも単なる勘違いであるのかは、誰にも断定できない」
「幽霊を見たという主張は本当なのか? それとも嘘なのか? 勘違いか? あるいは精神に異常を来(きた)しているのか? 誰にも断定できない」という曖昧な態度の徹底だ。
その点、この「ノロイ」は良く出来ている。

私は、白石監督作品に出てくるチャラ男チンピラ霊媒師というか、歌舞伎町ホスト霊媒師というか、「バケモノにはバケモノをぶつけんだよぉ!」みたいな事を言いがちな霊媒師が苦手だ。
ああいうのが、白石監督のヒーロー像なのだろうか。

この「ノロイ」には、そういう不良ヒーロー的な人物が登場しないので、ホラーに集中できる。
本作品に出てくるアルミの帽子を被った霊媒師も、それはそれで際どい人物造形ではあるが、私は映画のキャラクターとしてこっちの方が好きだ。

2022-09-09 11:05