「怪獣男爵」を読んだ
「怪獣男爵」を読んだ
作 横溝正史
ネタバレ注意
この記事には以下のネタバレが含まれます。
- 横溝正史「怪獣男爵」
- 江戸川乱歩「猟奇の果」
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ひとこと感想
乱歩の少年探偵団シリーズと同時代に書かれた少年向け探偵小説。
少年探偵団シリーズがそうであるように、本作品も良い大人が真面目に読むような代物ではない。
これまた少年探偵団シリーズと同じくB級ジャンク駄菓子の趣があるから偶(たま)に読むなら悪くない。
少年たちの情操教育に配慮し血を流さなかった少年探偵団と違い、こちらは割と人が死ぬ。
乱歩は「猟奇の果」で「人間改造工場」なるものを創作したが、横溝正史はこの「怪獣男爵」で、処刑されたはずの悪人が天才医師によって脳(=人格)を獣人の体に移植され蘇るというSF的発想を書いている。
破天荒な楽しさは乱歩の方が上だろう。
横溝の物語は少々お上品だ。
2022-06-14
10:08