青葉台旭のノートブック

映画「ザ・クレイジーズ 細菌兵器の恐怖」を観た

映画「ザ・クレイジーズ 細菌兵器の恐怖」を観た

U-NEXT にて。

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脚本 ジョージ・A・ロメロ、ポール・マッカロー
監督 ジョージ・A・ロメロ
出演 W・G・マクミラン 他

2010年のリメイク版は鑑賞済みだったが、ロメロ版は初見。

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ひとこと感想

1970年代以降大量に作られ続けている現代ゾンビ映画の原点が「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」なら、本作品は、その亜種である「レイジ・ウイルス(凶暴化ウイルス)」物の元祖か。

この映画について思ったこと。

初期のロメロは、1950年代の低予算SFホラー映画の手法を良く使う。
例えば、実際のアメリカ軍のライブラリ映像を挿入したり、少人数の俳優・エキストラを使い最小限のロケとセットで人類の危機を描く所など。
カット割りのセンスは、50年代低予算SFに比べると段違いに良い。
語り口が叙情的で、文芸志向が強い。

1970年代アメリカン・ニューシネマ的な時代の空気感が色濃く画面に写っている。
反戦、国家の陰謀、目的も知らされず作戦に投入され極限状態で徐々に精神を病んで凶暴になっていく現場の士官・兵士。
暴徒と化す市民たち。
最初は冷静だった主人公グループも、一人また一人と狂って、死んで(殺されて)いく。

善人も悪人も分け隔てなく、どいつもこいつも皆な狂って死んでいく。

ラストに流れる反戦フォークソング。

ひとことで言うなら『非常に強い厭世感』

70年代に始まった陰謀論ブーム。「権力者たちの壮大な陰謀、無知な大衆、巻き込まれる主人公」

原題は「コードネーム トリクシー」
トリクシーは、本作品に於いては「人間を凶暴化させるウイルス」に付けられた名だが、本来は女性名ベアトリスの愛称。

5年後に作られた岡本喜八「ブルー・クリスマス」との類似性を感じる。影響を与えている可能性。
単に、70年代という時代の空気感が類似性を生んだだけかも知れないが。

2022-04-11 07:39