青葉台旭のノートブック

映画「クラシック・ホラー・ストーリー」を観た

映画「クラシック・ホラー・ストーリー」を観た

Netflix にて。

Netflixのページ

脚本 ルチオ・ベザーナ、ダヴィド・ベリーニ、ロベルト・デ・フェオ、パオロ・ストリッポリ、ミロ・ティッソーネ
監督 ロベルト・デ・フェオ、パオロ・ストリッポリ
出演 マチルダ・ルッツ 他

ネタバレ注意

この記事には、以下のネタバレが含まれます。

  • 『クラシック・ホラー・ストーリー』
  • 『カメラを止めるな!』

この記事にはネタバレが含まれます。

この記事にはネタバレが含まれます。

この記事にはネタバレが含まれます。

この記事にはネタバレが含まれます。

この記事にはネタバレが含まれます。

ひとこと感想

ホラー映画の中で、ホラー映画について言及するという、いわゆるメタ・ホラー映画。

前半部分は、ストーリーと言い、個々のシーンと言い、どこかで観たことがあるような物ばかりだが、その「どこかで観たことがある」という事自体がメタ的な仕掛けだった。

『若者たちが遭遇した恐ろしい体験は、実は映画の撮影だった』

そう明かされるシーンを切り替えポイントにして、映画のジャンルが『ホラー』から『メタ・ホラー』へ変わる。

若者グループの一人が実は仕掛け人だったとか、山小屋で見つかった囚われの少女も実は仕掛け人の一人で全て演技だったとか、森だと思っていた場所が実は撮影所で、しかも軍の施設で、山奥だと思っていたら実は海辺のリゾート地のすぐ近くだったとか、最後の30分はドンデン返しの連(つ)るべ撃ちだ。
それはそれで、まあまあ楽しめる。

その一方で、「実は『メタもの』でした」と明かされて、少し冷めてしまったのも事実だ。
タネを明かされて「なぁーんだ」と思ってしまった。

『カメラを止めるな!』は、むしろネタバレした後の方が楽しかった。
実は映画の撮影だったとネタバレしてからが、本当の物語の始まり、本当の勝負の始まりだった。

この『クラシック・ホラー・ストーリー』は、ネタバレしたあと、作り手が安心して手を緩めてしまったように見える。

本作品のラスト近く、主人公は銃を持って反撃に出る。
その瞬間、いかにも決闘に赴(おもむ)くガンマンに似合いそうな、西部劇風の音楽が流れる。
ちょっと、あざとい。
「気が利いているでしょ? クスッと笑えるでしょ?」という作り手の余裕が見え透いて、冷めた。
「ああ、なんか、もう巫山戯(ふざけ)始めちゃってる……この監督は、もう真面目にストーリーを語る気が無いんだな」と思ってしまった。

最近しばしば目にする『途中でジャンルが変わる系』の映画について、今回思ったことを述べる。

ジャンルの切り替わり点が作品の『オチ』ではないし、クライマックスでもない。
「それ以降は、ただのエピローグさ」と勘違いして、安心してはいけない。

ジャンルの切り替わり点は始まりだ。そこから本当の物語が始まるんだ。

2021-07-27 20:52