青葉台旭のノートブック

映画「シドニアの騎士 あいつむぐほし」を観た

映画「シドニアの騎士 あいつむぐほし」を観た

新宿バルト9にて。

公式ページ

脚本 村井さだゆき、山田哲弥
監督 吉平 “Tady” 直弘、瀬下寛之(総監督)
出演 逢坂良太 他

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5回書いたからセーフ。

ひとこと感想

アニメ・ドラマ・シリーズ「シドニアの騎士」およびその続編「シドニアの騎士 第九惑星戦役」に続く劇場映画版にして、シリーズの完結編。
これらのシリーズは既に視聴済み。

まだ私は原作を読んでいないが、観賞後にネットで調べたところによると、どうやら原作漫画に於(お)ける「第九惑星戦役」から完結までの物語は相当に長いらしく、今回の劇場映画化にあたっては、その長い物語がギュッと圧縮されているらしい。

確かに私自身も「話運びが少し駆け足だな」と思った。

宇宙を舞台にした所謂(いわゆる)『巨大ロボットもの』となれば、宇宙での戦闘シーン、メカ・アクションが最大の見せ場だ。
今回の「あいつむぐほし」は、その点でも、以前の連続アニメドラマ版「シドニアの騎士」および「第九惑星戦役」には及ばなかったと思う。
確かに、劇場版らしく迫力のある大音響だったし、広いスクリーンを前提とした映画らしい画面密度の高さは堪能できた。
しかし、その高い密度の画面が、整理しきれていないように感じた。
観客である私を「ゾクゾクッ」とさせてくれるようなケレン味たっぷりのメカ演出が無く、ちょっと物足りなかった。

最後に、私が今回いちばん気になった点を書く。
『ストーリーが予定調和すぎて意外性に乏しかったな……』
落合の反乱にしても、迫り来るガウナにしても、心のどこかに、『ギリギリで主人公側が逆転するんでしょ』といった安心感があって、心の底からハラハラドキドキは出来なかった。

最後に明かされる『実はガウナは巨大な記憶装置である』という落合の解釈にはハッとさせられた。この点は良かった。

それから、満身創痍の〈つむぎ〉が病床から這い出して谷風長道を助け、自らは死んでしまう所はグッと胸が熱くなった。ここも良かった。

……が、その〈つむぎ〉が物語の最後に長道のかつての想い人、星白閑の肉体を得て蘇えるという結末も、正直、予定調和すぎると思った。

『コピーされた人格は、果たして本人なのか』という引っかかりを残した所は良かったが。

なんだかんだ言って、一定レベル以上のクオリティはあるから、そこそこは楽しめた

前章で「メカ演出に物足りなさを感じた」とは書いたものの、しょせん私は『口うるさい少数派のマニア』だ。

一般レベルで言えば、充分にクオリティが高いと言える仕上がりだったと思う。

制作会社のポリゴン・ピクチュアズの諸作品を見ると『うるさ方の少数派マニア』と『多数派ライト層』の両方に届く映画づくりを目指しているように思う。

それは産業としての映画にとって大切なことだ。

これからの活躍に期待したい。

追記(2021.6.8)

なるほど、これは『異類婚姻譚』つまり、『美女と野獣』の物語か。

『心の美しい清純な乙女が、醜い野獣を愛し、最後にその愛によって呪いが解けて野獣は美しい王子に変身し、二人は幸せに暮らしました』

という話の、男女逆バージョンか。

2021-06-08 11:44