映画「ゴースト・ストーリーズ 英国幽霊奇談」を観た。
映画「ゴースト・ストーリーズ 英国幽霊奇談」を観た。
ヒューマントラストシネマ渋谷にて。
監督 アンディ・ナイマン、ジェレミー・ダイソン
出演 アンディ・ナイマン 他
ネタバレ
ネタバレがあります。ご注意ください。
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5回繰り返したからセーフ。
ひとこと感想
タイトルから察するにイギリス伝統の古典的な幽霊話なのかな、と思ったら、アメリカのエンターテイメントに時々ある「全ては主人公の脳内の出来事だった」というオチだった。
つまり、最初から最後まで、植物状態の主人公の妄想だったという話だ。
要するに夢オチだ。
さらに、「いじめっ子たちが知的障害の少年をいじめて死に追いやった時、主人公は何もせずただ傍観していた」という少年時代の主人公の過去が物語の後半で明かされるのだが、それがあまりにも唐突だった。
この、少年時代の忌まわし過去と罪の意識を引きずった主人公というのも、何となくスティーブン・キングなどのアメリカ・エンターテイメント小説を連想させる。
良かった点。
どんよりと曇って寒々としたイギリスの風景が美しかった。
イマイチだった点。
その美しくも澱(よど)んだイギリスの風景と、いかにもアメリカ的な夢オチ展開あるいは少年時代の回想がアンバランスだった。
そう感じてしまったのは、ひょっとしたら、私がタイトルを見て「これは古典的正統派イギリス幽霊譚に違いない」と勝手に先入観を持って映画に臨んだからかもしれない。
それにしても、なぜ、こういうオチにしてしまったのだろうか?
私が思うに、十九世紀黄金期のイギリス怪奇小説的なものが、もはや現代において(なんらかのヒネリを付加しない限り)機能しなくなっているからだろう。
大衆文化の中心がイギリスからアメリカに移った二十世紀前半には、すでにイギリス的な幽霊譚は古臭いものになっていたはずだ。
それを復活させるには、なんらかの現代的なヒネリを加えるか、あるいは「黒衣の女」のように「これは十九世紀のお話です」という設定にしてしまうしかないのかもしれない。
それと、突然怖い顔のドアップを出して、同時に「ドンッ」って大きな音を出して怖がらせるっていうの、もう止(や)めて欲しい。
確かにその瞬間は驚いて、ビクッ、てなるけど、それは私がホラーに求める「恐怖」じゃない。それはただ単に後ろから「わっ」て大声だして驚かせているだけ。