ハリウッド映画のコンピュータが発する「チュピ、チュピピピ……」という音が嫌いだ。
以前、
「ハリウッド映画の『にちゃにちゃ、くちゃくちゃ』と言う効果音が嫌いだ。」
という記事を書いた。
その第2弾。
ありがちな効果音それ自体よりも、考えもなしにそれを使ってしまう感性が困る。
未来SF物なんかで、コンピュータを操作するときに、いちいち「チュピ、チュピピピ……」という効果音を入れるのは、21世紀が幕を開けて早や20年が過ぎようという現在、もはや時代遅れじゃないだろうか?
宙に浮かんだタッチパネルみたいなものを触る度に「チュピピ……」
ウィンドウを開いて「チュピピ……」
画像を拡大して「チュピピ……」
おまけに近未来感を出したいのか何なのか知らないが、昔の8ビット・パソコンみたいなフォントでテロップを1文字ずつ「ピピピピピ」って出す演出。
これが20世紀の演出なら仕方無いよ。
しかし、幼稚園児でさえタブレット画面上で指をスワイプさせるこの21世紀に、いまだ「チュピピピピピ」は無いでしょう。
わざとレトロ感を狙った演出意図があるっていうならまだしも、そうでないのなら良い加減やめて欲しい。
これがB級映画なら、予算や時間の制約があって仕方なく出来合いの効果音を使ったという「大人の事情」もあるだろうが、莫大な予算を投じて作られたはずのハリウッド娯楽大作SF映画でさえ、いまだに「チュピピピ」演出がしばしば観られる。
そこに、ある種の「驕(おご)り」というか、「近未来のコンビュータ? チュピピって音させときゃ良いよ」という雑な感性を感じてしまう。
地面の上をズザザザザー……ピタッ!
愚痴ついでに、昨今のハリウッド演出についてもう一つ。
「敵に吹っ飛ばされた主人公が、立ったままの姿勢で地面の上をズザザザザーッ、と滑って行って、ピタッ、と止まる」
このような表現を、最近のハリウッドSF娯楽大作が好んで繰り返し使っている事に気づいた人も多いと思う。
おそらく、これは日本のアニメからの借用だ。
日本の「アクションSF娯楽大作」映画に散見される「ハリウッドっぽいべ? カッコ良いべ? だべ?」という演出も最悪にカッコ悪いが、昨今のハリウッドに散見される「アニメっぽいべ? ジャパニメーションっぽいべ? クール・ジャパンだべ?」という演出も、ちょっと鼻につく。
先人の成果に学ぶのは良いことだが、これ見よがしの「○○っぽくてカッコ良い」演出は、逆に観ている方が冷めるので止めて欲しい。