青葉台旭のノートブック

ハリウッド映画の「にちゃにちゃ、くちゃくちゃ」と言う効果音が嫌いだ。

あの、粘液質の物を触るときに、わざとらしく発せられる「にちゃにちゃ、くちゃくちゃ」 という効果音、何とかなりませんかね。

今、ネットフリックスで「ストレンジャー・シングス 未知の世界」を観ている。

まだ視聴途中なので全話観たら感想を上げようと思っている。

今5話まで観たところなのだが、おおざっぱに言えば「アキラ風味のIT(イット)」と言った感じだろうか。

ときは1980年代。
ところは「アメリカのどこにでもありそうな田舎町」
主人公たちは、地元の小学校に通う「いじめられっ子オタク少年グループ」

と言う感じで、この設定だけ取れば映画「IT それが見えたら終わり」によく似ている。

それどころか、主演のフィン・ヴォルフハルトは「IT」にも少年グループの1人として出演している。

そのITみたいな基本設定の上で、アニメーション映画「アキラ」とか映画「スキャナーズ」みたいな、 「超能力者を生み出す極秘の研究」「政府(あるいはバイオ企業)の陰謀論」を絡めたドラマが 展開される。

手にシリアルナンバーを刻印された被験者の少女とか、まさにアキラって感じだ。

彼女が念力で男を吹っ飛ばして男が反対側の壁にブチ当たると、壁に円形のヒビが入る所なんか、 もろ「童夢」とか「アキラ」のような往年の大友克洋の作品を思わせる。
……って言うか「ストレンジャー・シングス」の監督、わざとやってるんだろうな。

監督「あー、効果さん……このシーンは『童夢』っぽくしてくれる? 念力で男が吹っ飛ばされて、 壁にブチ当たると、その部分が丸く割れて凹む感じで……そう、そんな感じ」

みたいに指示を出す監督の姿が目に浮かぶ。

……しかし……あれだ……
「IT それが見えたら終わり」と「ストレンジャー・シングス 未知の世界」
これだけ似た企画が1年以内に公開されると言うのは「ハリウッド業界裏話」的な何かがありそうだ。

私は、映画「IT それが見えたら終わり」よりも、この「ストレンジャー・シングス」の方が好きだ。

何と言うか……個々のキャラクターが持つ「切実さ」みたいなものが「IT」よりも「ストレンジャー・シングス」 の方が上だと思う。
「IT」のそれは、いかにも「キャラに深みを持たせるために設定しました」みたいなわざとらしさが鼻につく。

息子が行方不明になって頭おかしくなったオバちゃん……

ウィノナ・ライダーかよ……全然わからなかったわ……やはり向こうの役者は演技力で勝負してるんだな。

それは、それとして、例の「にちゃにちゃ、くちゃくちゃ」だ。

ハリウッドのモンスターって、何かっていうと粘液を分泌するんだよ。
そりゃ、粘液は色んな意味で大事だけどさぁ……ちょっとは我慢しろよ。

で、その粘液のアップになると必ず例の「にちゃにちゃ、くちゃくちゃ」っていう、お決まりの効果音が 鳴って、辟易させられる。

それとカメラの手前を不気味な影が通り過ぎる時に必ず被さる「ブォォーン」っていう音。
何だよ、それ。風切り音のつもりか? いちいち大袈裟なんだよ!

粘液の「にちゃにちゃ、くちゃくちゃ」と、怪しい影が走った時の風切り音……ほんと、もう勘弁してくれ!
と、俺は常日頃から思っているのだが、残念ながらこの「ストレンジャー・シングス」もハリウッドの例に漏れず、 この「ありがち」で「大げさ」な効果音を使っていた。

……で、この粘液が「にちゃにちゃ、くちゃくちゃ」っていう音をハリウッドがいつまでも使い続ける理由に 関して、俺なりに仮説を立ててみた。

あいつらは納豆が食えない。

納豆だけじゃなくて、すりおろした自然薯とかもアメリカ人には無理だろ。
もずく、メカブとかのネバネバ海藻類も食ったことねぇだろ。

ネバネバ健康食品を日常的に食っている俺ら日本人からすると、あの「にちゃにちゃ、くちゃくちゃ」って音は、 わざとらしくて白けるんだよ。

あいつら絶対、日本人が納豆食っているシーンにも例の「にちゃにちゃ、くちゃくちゃ」って効果音 入れてくるぞ。

納豆だろうが、山芋だろうが、エイリアンの半熟卵だろうが、絶対にそんな音しないっての。

結論。

ハリウッドの効果音担当者は納豆を食え。そうすりゃネバネバの描写も、ちょっとはマシになる。

2017-12-09 18:50