海外の大都市に「日本座」を作ってはどうか。
これから、日本国内が少子高齢化するにつれて、ありとあらゆる内需産業の市場が縮小していくのは避けられない。
その中で、製造業など従来の外需産業だけでなく、いわゆる内需産業も海外市場に活路を見出さざるを得ないのではないか。
若者たちを主たる消費者にしているアニメーション産業は特にそうだろう。
日本のアニメーション産業が生き残るためには「自分たちが創造した物を金に換える方法」をもっと考えた方が良い。
ただ、消費者たちの嗜好をある程度把握できる国内市場向けの作品しか作ったことのない制作会社にとって、海外の市場に向けて自覚的に物語を作っていく作業は、精神的な負担が大きいと予想される。
人間誰でも、勇気を出して向こう岸にジャンプするより、顔見知りの馴染み客相手に商売をしたがるものだ。
そこで、アニメだけでなく広く日本の映画製作者に対し、海外へ目を向けさせるために、例えばハリウッドのお膝元ロサンゼルスやニューヨークなどの主要都市のどこかに日本映画専用の常設の劇場をオープンさせてはどうか。
日本の配給会社や制作会社複数社で垣根を超えて共同出資し、海外の人々にも充分に理解できて感動できるような映画を厳選して交代で上映スケジュールして行ったらどうか。
そうすれば字幕翻訳などの人脈に各社が共同で繋がる事ができるのではないだろうか。
また海外の観客へ向けた確実な販売ルートがひとつでもあれば、国内市場だけに目を向けていた製作者を海外へ目を向けさせる、ひとつの動機付けになるのではないだろうか。
工業製品メーカーは、時として「アンテナ・ショップ」というものを開店する。
もちろん店舗単独での採算性は大事だろうが、その主たる目的は、市場からのフィードバックである。
その映画産業版を海外の主要都市に作るというアイデアである。
とにかく、国内市場が縮小していくという未来は、もはや「既成事実」である。
マネージメント用語でいえば「既に起きてしまった未来」だ。
縮小する国内市場から海外市場へ。
残された時間はそれほど長くはないと思った方が良い。
*以下、宣伝。
青葉台旭・作
ハーレム禁止の最強剣士!
自作の小説です。よかったら読んでみてください。