はてなブログからの転記

ネットが魅力的なのは「俺だって世界の中心だ、と思い込む事も不可能ではないかもしれない」からだ

さっき、ウィキペディアを見てきたのだが「インターネットの前身であるアーパネットは軍事目的で開発され、核攻撃に耐えられるようなネットワーク構造を目指して作られた」というのは嘘らしい。

確かに、開発資金はアメリカ国防総省の研究所(アーパ)から出ているが、特別、軍用として開発された訳ではないらしい。

軍関係の研究機関と言うのは分からない所で、大金を注ぎ込んだ先端研究を、まるで「もう飽きちゃったから、君にあげる」みたいにして、気前よく民間に開放することが良くある。

ちなみにアップル社のマッキントッシュやアイフォンに使われているOSも元をたどれば軍の研究所からの資金および依頼でカーネギーメロン大学にて開発されたものだ。

ちなみに、史上最初のコンピューター、エニアックもアメリカ軍の依頼で開発されたもの。

ちなみに1960年代、反体制の象徴みたいにして当時の若者たちが乗り回していたフォルクスワーゲン・タイプ1(元祖ビートル)は、元をたどればヒットラーの国民車構想によって生まれたものだ。フォルクスワーゲンとはドイツ語で「民族の自動車」という意味だ。

ちなみにヒットラーの依頼を受けて「民族の自動車=フォルクスワーゲン」を設計したのがフェルディナント・ポルシェで、もちろんスポーツカー・メーカー、ポルシェの創設者。

ちなみに、アニメのルパン三世が愛用していることで有名なワルサーP38はナチスの軍用拳銃として開発されたもの。

ちなみに、人類を初めて月まで送り届けたアポロ計画のサターンV型ロケットを開発したヴェルナー・マグヌス・マクシミリアン・フォン・ブラウン子爵はナチスがロンドン攻撃に使った弾道ミサイル、V2ロケットの開発者。

それは、さておき……

 「軍事目的で開発され、一部が核攻撃で破壊されても全体は稼働し続けるように、どこにも中心のないネットワーク構造として設計された」というのがデマだとしても、インターネットというものが中心の無いフラットなネットワーク構造をしている事に変わりは無い。

中心が無いという事は、つまり考えようによっては、どこにでも中心があるともいえる訳で、誰かがネット上で「俺が世界の中心だ」と叫べば、まあ、本人が勝手にそう思っているぶんには、それはそれで間違いないともいえる。

とにかく、ネットにつながった、ネット上に自分が書いた文章、歌った歌、描いた絵、撮った写真、動画、を載せるという事は「世界中の誰かが見ているかもしれない」という可能性を手に入れたという事だ。

実際のページ・ビューがたとえ一桁だったとしても、明日には、来月には、来年には、世界中の何十億という人間がひょっとしたら見てくれるかもしれない、という可能性を秘めている……そう思い込める事が大事なんだ。

実際には、膨大な数の人間が投稿した膨大な数の記事に埋もれて、世界中のほとんどの人に気付かれずに、70億の全人類のうち、訪れたのが5人だったとしても、その5人は、いずれ70億の人が見に来てくれるかもしれない、という潜在的可能性を秘めた5人なんだ。

同じ5人でも、チラシの裏に書いた詩を父さんと母さんと爺ちゃんと婆ちゃんと妹の5人だけに見せるだけなら、そこから先には広がって行かない。

繰り返す。
今日、私の投稿を見てくれた5人の読者の向こうには70億の全人類が居る。
そう思い込める事こそがネットに記事を投稿する事の、最大の魅力だ。

2015-11-05 07:21