青葉台旭のノートブック

映画「少年探偵団 第二部 二十面相の悪魔」を観た

映画「少年探偵団 第二部 二十面相の悪魔」を観た

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脚本 小川正
監督 小林恒夫
出演 岡田英次 他

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ひとこと感想

「少年探偵団 第一部 妖怪博士」の続編。

私は 第一部の感想記事 で、マクガフィンである「通常の原子炉から排出される放射性物質を焼却する新型原子炉の設計図」に関し、「これはプルサーマルの事か」と書いたが、本作品に「融合反応原子炉設計図」という新聞の見出しが写っていた。
どうやら核融合炉の事らしい。

終盤に素顔の怪人二十面相が現れる。思っていたよりも若く、思っていたよりもイケメンだった。
1950年代白黒映画に登場する男たち特有のダンディな雰囲気があった。

相変わらず、昭和30年代の牧歌的な都市郊外の風景が心地良い。

そして相変わらずの子供向け映画だから、大人が真面目に何かを語れるようなストーリーではない。

洞窟に作られた盗賊団のアジト、全身黒づくめの手下など、後(のち)の仮面ライダーにも通じる設定が興味深い。

日本のヒーロー映画の系譜として、以下のようなものが仮定されうる。

  1. 戦前に「鞍馬天狗」などの時代劇ヒーローが大量に制作された。
  2. 戦後、アメリカ占領下で時代劇を禁止された日本映画界が、苦肉の策として刀を拳銃に持ち替えた「名探偵ヒーロー」を作り始める(明智小五郎、多羅尾伴内など)
  3. 仮面の名探偵(月光仮面、七色仮面など)が登場する。この時点ではまだヒーローの能力は普通の人間の範疇である。
  4. スーパーパワーを手に入れる(仮面ライダーなど)

東映チャンバラ時代劇と東映特撮ヒーローは、単に映画会社が同じというだけでなく、歴史的観点からも同じ系譜の兄弟という事か。

この他にも、戦前の紙芝居『黄金バット』や、戦後の鉄腕アトム(手塚治虫)、鉄人28号(横山光輝)、エイトマン(平井和正・桑田次郎)など漫画の系譜、そしてもちろんアメコミからの影響もあるだろう。

ちなみに、黄金バットは1930年に紙芝居ヒーローとして誕生した。
スーパーマン(1938年)やバットマン(1939年)よりも早い。

明智小五郎のエログロ通俗探偵小説や黄金バットなどは、レトロ調のヒーロー物として現代の技術で作り直したら面白いんじゃないかと思う。
しかし、残念ながら「大人の鑑賞にも耐えうる日本のレトロ・スーパーヒーロー・リメイク実写映画」の成功作を私は知らない。
そのように自称している失敗作なら、何本もありそうだが。
「シン・仮面ライダー」に期待する。

2022-06-26 03:16