オペラ。

1.

 俺が、どんな小説を書きたいかと言うと、これは、もう一つしかなくて

「ラブコメ&アクション小説」なんです。

 ラブコメ小説と、アクション小説ではありません。
 一つの小説に「ラブコメ要素」と「アクション要素」が山盛りじゃないとイヤなんです。

 ところで、アメリカには、こんな言葉があります。

 1、ホース・オペラ
 2、スペース・オペラ
 3、ソープ・オペラ

 それぞれ、

 1、俺TUEEEな荒野のガンマンが、悪い保安官を倒して、萌え萌えなヒロインとイチャイチャする小説
 2、俺TUEEEな宇宙飛行士が、悪いエイリアンを倒して、萌え萌えなヒロインとイチャイチャする小説
 3、郊外or地方都市で、ダンナor本命彼氏に相手にされなくなって、欲求不満でモンモンとしていたヒロインが、偶然出会ったイケメン・ヤングマンとイチャイチャする話

 ……の、事です。
 つまりアメリカ人にとって「オペラ」とは「テンプレ展開のくだらない小説」という意味で、要は、差別用語なんですな。

 ……で、本家本元のヨーロッパのオペラと言うのはどういうものか、その歴史をひも解いてみますると、
 文芸復興ルネッサンス末期の17世紀、急速に力をつけてきた「中流ブルジョア階級」が、
辛気しんき臭い教会音楽なんか聞いてられっか! 俺ら成金ブルジョア階級が聞きてぇのは、古代ギリシャ・ローマ系のアゲアゲ・サウンドなんだYO! 」
 とか言ったのが始まりなんですな。

 そのオペラの二大要素と言うのが「愛」と「死」。
 LOVE&DEATH
 もう、これだけで、胸毛ボーボーのイタリア紳士が「ブラボー」とか叫んでいる姿が目に浮かんで、薄口の日本人としてはお腹いっぱいですが。

 「機動戦士ガンダム・逆襲のシャア」のサントラを手掛けたことでも知られる作曲家、三枝成彰が、かつて「赤穂浪士」をオペラにしようとした時、本場イタリア人の作曲家に相談したときの逸話が伝えられています。以下、俺の脳内脚色でお送りしています。

三枝成彰「こんど『赤穂浪士』っていうオペラ作ろうと思うんだけど……」
イタリア人作曲家「オペラの売上って、結局、『何人、登場人物が死んだか』で決まるんだよね。で、その『赤穂浪士』だっけ? 何人死ぬの?」
三枝「う~ん、『四十七士』って言うくらいだから、最低四十七人は死ぬかな……」
イタリア人「よ……四十七人?……三枝、お前、それ……絶対、ヒットするよ……」

 俺も「愛と死ラブコメ&アクション」をテーマに頑張っていきたいと思います。