青葉台旭のノートブック

実証実験10日目

今日は7月4日。
『冷房を点けずに夏を乗り切れるか実験』の第1日を6月25日に設定しているので、ちょうど10日目だ。

朝から雨が降っている。台風4号の影響らしい。まだ中心は沖縄本島と九州の中間あたりなのに、それが関東にまで雨雲を呼び込んでいるのか。

日差しが無いぶん、昨日までより暑さが柔らいでいる印象。

天気予報をチェックすると、最高気温32℃、最低気温25℃。

体が暑さに順応しつつある。そう実感している。
さすがに「涼しい」とまでは言えないが、この実験を始めた頃に比べると、暑さや不快感が大分(だいぶ)マシになって来た。

ウェブの天気予報によると現在の湿度は97%。
この湿度が私の肉体・不快感にどのような影響を及ぼすか。少し心配だ。

水分はどんなに摂っても摂りすぎるということはない

……などと夢枕漠・谷口ジロー『神々の山嶺』由来のネット・ミームを書いてみる。

とにかく水分は意図的に多く摂取する。
喉が乾いたから飲むというより、意識して早め早めに摂(と)るよう心がける。

そして塩だ。

もともと濃い口だったが、この実験を始めて以降ますます塩辛いものに食指が伸びるようになった。

汗と共に失われた塩分を、体が欲しているのか。

水と塩。人間の血液を構成する重要な物質。
汗とは、すなわち体表に流れ出た血。

もうひとつ大事なのが、シャワー。
汗をかいた後のベタつきを石鹸とシャワーで洗い流し、最後に冷たい水を浴びるだけで体感温度が大分(だいぶ)下がる。

それでもバテ気味

暑さに慣れつつあるとはいえ、それでもバテ気味だ。

体が怠(だる)いし、食欲が無い。
精力のつく物を食べたいが、コッテリと腹に凭(もた)れる物は食べたくない。サッパリした食事が良い。

今の自分の状況を分析してみる。
夏バテとは、もちろん暑さで肉体が弱る事だ。

同時にこれは精神的な状態を指す言葉でもあるのだなと、あらためて思った。
物理的(フィジカル)・肉体的(フィジカル)な現象であると同時に、精神的(メタ・フィジカル)な現象でもある。

とくに私が自分自身の精神状態で注目しているのは「逃げ場が無い・終わりが見えない」という状況が精神に与えるダメージだ。

昼の暑さを乗り越えれば涼しい夜が待っている訳でもないし、今日1日を乗り切れば明日には涼しい秋が来る訳でもない。
24時間、常に暑い。
この暑さが、明日も、明後日も、その次の日も続く。
暑さから逃げられない。
そんな風に思うと益々(ますます)気が滅入る。

問い 「この精神状態から逃れるために、私は(半ば無意識的に)何をしたか?」
答え 「まず、〈暑がっている自分自身〉を俯瞰して、客観的に見ようとした」

暑がっている自分と分離した『もう一人の自分』を、自分の背中やや上のあたりに仮定する。
その『もう一人の自分』に、暑がっている現実の自分を「こいつ、暑がっているな〜」と客観視させ、そして次のように言わせる。

「暑い、暑いって言い続けたところで、暑さは消えないよ。あきらめろよ」
「あきらめて、暑さを受け入れるんだよ」

そうすると、暑がっている自分が「そうだよな」と思い始めて、「暑がっている自分」を、その不快感も含めて受け入れ始める。
それで少しだけ楽になる。

……なるほど。
このメカニズムは面白い。

  1. 自分の後方やや上のあたりに、自分を見つめる『もう一人の自分』を空想する。
  2. その『もう一人の自分』に現実の自分を客観視させる。
  3. そして『もう一人の自分』が現実の自分に『あきらめろ』『現実を受け入れろ』と言い始める。
  4. 現実の自分が少しだけ楽になる。

このメカニズムは、ひょっとして、古代宗教が言うところの『悟り』や『解脱』、あるいは『守護霊』や『狐憑き』、あるいは現代の心理学における『多重人格』と、何らかの関係があるのだろうか?

出先の建物内

誤解なきよう念のために言っておくが、この実験はあくまで『自宅で冷房を使わずに夏を乗り切れるか』という実験であり、出先の建物内では、ちゃんと冷房の恩恵に与(あずか)っている。

まさか喫茶店のウェートレスに向かって、「冷房無しで夏を乗り切るチャレンジをしているから、店の冷房を切ってもらえますか」などと言う訳にも行かないので。

ふたたび『神々の山嶺』

だいぶ前に『神々の山嶺』がフランスでアニメ映画化されたと聞いていた。
ネットフリックスが全世界配信する、とも。

しかし、原作の祖国である我が日本のネットフリックスでは、待てど暮せど配信が始まらない。

さっき検索してみたら、どうやら今週末から映画館に掛かるらしい。

ネットフリックス

最近ふと、あまりネットフリックスを活用していない事に気づいた。

どうしようかな……ネットフリックス。

たまに「ドント・ルック・アップ」みたいな名作をオリジナル配信するけど、確か劇場公開もされてたっけか。
なら、必ずしもサブスク続ける必要もないのかな?

まあ、もう少しだけ様子を見よう。

ネットフリックスの最大の弱点は、都度支払い日数限定の所謂(いわゆる)レンタル配信が無い事だと、個人的に思っている。
「全て定額見放題」という戦略が、ネットフリックスの自由度を奪っていると思う。

2022-07-04 12:13