「ルチオ・フルチのザ・サイキック」を観た
「ルチオ・フルチのザ・サイキック」を観た
U-NEXT にて。
脚本 ダルダーノ・サケッティ、ルチオ・フルチ、ロベルト・ジャンヴィッティ
監督 ルチオ・フルチ
出演 ジェニファー・オニール 他
ネタバレ注意
この記事にはネタバレがあります。
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ひとこと感想
主人公の目へのズーム・アップばかりで前半は辟易したが、後半はサスペンスが効いていて、そこそこ楽しめた。
犯人について
もはや『犯人当て』のモチーフ単独で、この手のミステリーを見せるのは限界だと思った。
犯人の意外性どうのこうのという問題ではない。
限られた登場人物の中で、誰が犯人であろうと、
『ああ、そうですか……まあ、別に予想していた訳じゃないけど、特に驚きもありません。そもそも興味がありません』
という感想しか出て来ない。
そこに何らかのプラス・アルファ、例えば『どうしても罪を犯さざるを得なかった悲しいバック・ストーリー』などの『感動要素』があるとか、そういう合わせ技がないと、もはや物語の受け手は『犯人当てゲーム』そのものに興味が無くなっている。
室内装飾のゴテゴテ感について
どピンクの壁紙が唐草模様に埋め尽くされていたり、調度品にいちいち細かい彫り物が施されていたり、照明の傘が真っ赤だったり、とにかく、現代の価値観で見ると、室内装飾がゴテゴテしている。
この胸焼けのするようなゴテゴテの室内装飾が、イタリアン・ジャッロの様式美という事なのだろう。
このクドさがあるからこそ、かろうじて単なるヒッチコックとエドガー・アラン・ポーのモノマネにならずに済んでいるような所がある。
このジャッロの過剰装飾的な絵作りは、ひょっとしたら1970年代の少女漫画に影響を与えているかも知れない。
音楽について
オルゴール風の物悲しげなメロディも、ジャッロ映画の様式美か。
ラストについて
ラスト、壁から流れてくる腕時計オルゴールの調べでスパッと終わりにするのは、けっこうオシャレで好みだった。