彼岸花が咲いていた
彼岸花が咲いていた
今日から、お彼岸か。
まさに彼岸(あの世)に咲く花。
お盆とお彼岸の間が、1ヶ月あまりしかないのは、なぜなのだろうか?
盆送りで先祖の霊を送った僅(わず)か1ヶ月後に再び彼岸の供養をするというのは、ちょっと忙(せわ)しない。
旅立つ人を見送った直後に、その相手の携帯電話をコールしてお喋りを始めてしまう……そんな感じの忙しなさがあるのだが。
お彼岸が春分と秋分の祭事であることから、太陽信仰と何らかの繋がりがあるというのは想像できる。
お盆(盂蘭盆)は本来、旧暦の7月15日で、西暦(太陽暦)に直すと8月の中旬から下旬にあたるらしい。
日本に伝来する過程で、土着信仰との習合があったのだろうか?
さて、花だ。
夏が終わり、昼よりも夜の方が長くなるその端境(はざかい)期に咲く、あの世とこの世の境界を象徴する花。
赤い領域の向こう側に薄っすらと異界が見える。
ジッと見入って、魅入られているうちに、何かの間違いであちら側に足を踏み入れてしまうのではないか?
そんな幻想を与える花だ。
冬来りなば春遠からじ、という。
ならば逆もまた真なりだろう。
夏来りなば、遠からず秋がやって来る。
2021-09-20
07:51