青葉台旭のノートブック

思い入れのあるキャラにこそ、過酷な運命を与える

今回は、小説の作者は何を考えているのかというメタ・レベルの話である。
作品の直接の感想ではない。

最近、ドストエフスキーを読んでいる。
コロナ以降、どういう訳か現代の作品よりも所謂(いわゆる)名作に興味が移ってしまった。

「二重人格者」「罪と罰」「悪霊」「未成年」「カラマーゾフの兄弟」を読み終え、今は「白痴」を読んでる。

二十代の頃まとめて読んで以来だから、もうウン十年ぶりか。
若い頃に読んだ時も「すげぇ」と思ったが、この年になってもう一度読んで、やっぱり感動した。

そして、「どうしてドストエフスキーは、登場人物たちに対してこんなにも過酷な運命を与えるのか」という疑問を持った。

「よくもまあ、ここまで自分のキャラを酷く扱えるな」と思った。

そして、ふと気づいた。
思い入れが無いから、キャラを酷い目に会わせるんじゃないんだ。キャラに思い入れがあるからこそ、酷い目に会わせているんだ。

2020-07-12 10:34