青葉台旭のノートブック

テレビ番組「帰ってきたウルトラマン」第31話を観た。

テレビ番組「帰ってきたウルトラマン」第31話を観た。

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監督 真船禎
出演 団次郎 他

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5回書いたからセーフ。

ひとこと感想

いわゆる「11月の傑作群」その1。

ただし、この「11月の傑作群」という言い方は、ガチの「新マン」(うちの地元では、こう呼んだ)のファンの間では、評判が悪いらしい。

「まるで、それ以外のエピソードが詰まらないみたいな言い方じゃないか」

……という事らしい。

まあ、気持ちは分かる。

ちょっと気障(きざ)な感じだし。

ウルトラ・シリーズのファンの中でも、おそらくこの「帰ってきたウルトラマン」の立ち位置は微妙だ。

「Q」「マン」「セブン」という誰もが認める古典的名作に対し、三年のブランクを経て「帰ってきた」ウルトラマン。

それまでの「空想特撮シリーズ」から、それ以降の「A」「タロウ」「レオ」のような青春ドラマ志向へ舵を切る、その端境期(はざかいき)のウルトラマン。

ゆえに、「A」以降のように、完全に子供向けと割り切ってしまう訳にもいかないし、さりとて第1期のようなレトロ的センス・オブ・ワンダーに浸ることもできない。

じゃっかん、中途半端な感じは否めない。

それは、ウルトラマン自身のデザインにも現れている。

「A」以降の、いかにも子供向けを狙ったコテコテのデザインでもないし、さりとて初代マンのような「異形感」を強調した芸術的センスも感じられない。

正直、薄味。

さて、本エピソードの感想。

アメリカのホラーなどにしばしば見られる「邪悪な子供」物でした。

ラストに、マットの隊長が自分の娘を見て言った「人間の子は、人間さ。天使を夢見させては、いかんよ」という台詞は、なかなかに深い。

その隊長が(宇宙人が化けていたとはいえ)子供を銃で撃ち殺し、その子供が喉(のど)から真っ赤な血を流して最後にグロテスクな宇宙人の顔になるというショッキングな描写も含め、今の子供向けテレビ番組では到底不可能な話だろうな、と思った。

やはり、誰もが安心して感情移入できる「勧善懲悪」に対して、「本当にそれで良いの?」という爪痕を残してこその芸術だ。

何が正解かも分からないこの現実世界で生きる人々には、「何も考えず気楽に観られて、一時の慰安を提供する」勧善懲悪的な娯楽番組が必要なんだ、という意見も、まあ、それはそれで合理だと思うし、小学生あるいは幼稚園児も観るテレビや映画に対して「情操教育上・道徳教育上『正しく』なければいけない」という枷(かせ)を付けてしまう気持ちも一概には否定できないが。

2019-03-18 23:33