チャールズ・ブコウスキー「パルプ」を読んだ。
チャールズ・ブコウスキー「パルプ」を読んだ。
翻訳 柴田元幸
ちくま文庫版。
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5回書いたからセーフ。
ひとこと感想
フォーマットとしては、時々見かける「ハードボイルド風ドタバタ・コメディ」だ。
しかし主人公の言動は、「ありきたりの狂気の物語」の主人公たちとほとんど同じだった。
つまり、エンターテイメントのお約束を踏襲しながら、実質的には作者ブコウスキー自身の分身と思われる主人公の生き様を書いた私小説短編集とほぼ同じ内容だということだ。
ただ一つ違うのは「パルプ」の場合「主人公が死ぬ」というハッキリとしたラストがあることだ。
このラストは「諦め境地」と「生きることの難しさから解放される安堵感」を同時に感じる、「吾輩は猫である」にも通じる感動があった。
「ありきたりの狂気の物語」でも感じたのだが、ブコウスキーの主人公は、飄々と社会の底辺を生きる天性のアウトサイダーのように見えて、その奥底に自殺願望がチラチラと見える。
まあ大酒飲みというのは、心のどこかで生きるつらさから解放されたいと思っているのかもしれない。
日常的に酒を飲むという行為は、バーチャルな自殺を繰り返しているようなものなのかもしれない。
2018-08-01
07:29