青葉台旭のノートブック

小説「膚の下」を読んだ。  

小説「膚の下」を読んだ。   神林長平

評価に困る作品だ。 読んでいる途中は「……だろう」という文末が何度も出てきて、 青臭いというか、読んでいてゴツゴツと固い感じで、 初期の作品のような、瑞々しい感じが無い。
そのせいで、読み進めるのに苦労する。ページ数が多く 分厚い事もあって、とても読みづらい。 しかし、全てを読み終えたとき、心にズシーンと来るものがあって、 しばらくぼーっとしたあと「ああ、これが感動というものか」と気づくような作品だった。 忘れられない一冊になった。 そういえば、はるか昔、「あなたの魂に安らぎあれ」を読んだときにも同じような感覚に とらわれたのを思い出した。 ああ、感動と言うのはこういう事だった、というのを思い出した。

2017-05-11 08:06