「ルチオ・フルチのザ・サイキック」を観た U-NEXT にて。 [Amazonのページ](https://www.amazon.co.jp/dp/B0056ENKFC) 脚本 ダルダーノ・サケッティ、ルチオ・フルチ、ロベルト・ジャンヴィッティ
監督 ルチオ・フルチ
出演 ジェニファー・オニール 他 ### ネタバレ注意 この記事にはネタバレがあります。 この記事にはネタバレがあります。 この記事にはネタバレがあります。 この記事にはネタバレがあります。 この記事にはネタバレがあります。 ### ひとこと感想 主人公の目へのズーム・アップばかりで前半は辟易したが、後半はサスペンスが効いていて、そこそこ楽しめた。 #### 犯人について もはや『犯人当て』のモチーフ単独で、この手のミステリーを見せるのは限界だと思った。 犯人の意外性どうのこうのという問題ではない。 限られた登場人物の中で、誰が犯人であろうと、
『ああ、そうですか……まあ、別に予想していた訳じゃないけど、特に驚きもありません。そもそも興味がありません』
という感想しか出て来ない。 そこに何らかのプラス・アルファ、例えば『どうしても罪を犯さざるを得なかった悲しいバック・ストーリー』などの『感動要素』があるとか、そういう合わせ技がないと、もはや物語の受け手は『犯人当てゲーム』そのものに興味が無くなっている。 #### 室内装飾のゴテゴテ感について どピンクの壁紙が唐草模様に埋め尽くされていたり、調度品にいちいち細かい彫り物が施されていたり、照明の傘が真っ赤だったり、とにかく、現代の価値観で見ると、室内装飾がゴテゴテしている。 この胸焼けのするようなゴテゴテの室内装飾が、イタリアン・ジャッロの様式美という事なのだろう。 このクドさがあるからこそ、かろうじて単なるヒッチコックとエドガー・アラン・ポーのモノマネにならずに済んでいるような所がある。 このジャッロの過剰装飾的な絵作りは、ひょっとしたら1970年代の少女漫画に影響を与えているかも知れない。 #### 音楽について オルゴール風の物悲しげなメロディも、ジャッロ映画の様式美か。 #### ラストについて ラスト、壁から流れてくる腕時計オルゴールの調べでスパッと終わりにするのは、けっこうオシャレで好みだった。 ___Aobadai Akira___ date: 2021-10-12 time: 10:54 category: 映画を観た ひとこと感想/映画