映画「ヘイトフル・エイト」を観た。(寸評)
google playで観た。
面白かった。
非常に端正な画面作りで、2時間48分にもかかわらずダレることなく観られた。
オープニングの自然描写が、まず美しかった。
さすが70ミリ・フィルムのスーパーワイド画面は、画面のどこを取っても美しかった。色に深みがあるというか、ダイナミックレンジが広い感じだ。
ただし、いつものパソコンの液晶画面で観たので、上下の黒い部分の面積が今までで一番大きくなってしまった。要するに横長ワイド撮影であるがゆえに、逆に映画が映し出される範囲は今まで観た中で一番細長く狭くなってしまった。
気になった点を二か所だけ。
まず一点、十字架が出てきた時には「また十字架か」と思ってしまった。(まあ、映画全体を通してみた時には、ある程度機能していたが)
キリスト教徒の十字架好きは、ちょっと困りものというか「異教徒」である私には分からない感性だ。アメリカ人が作ったホラー映画なんかだと冒涜するためにわざわざ十字架を出すこともあると思うが、それは基本的に『好き』の裏返し、つまりツンデレだ。好きだからこそ冒涜しているわけだ。そういう感性は、永遠に日本人には分からないだろうな。
話をヘイトフル・エイトに戻すと、全体に端正な絵作りの映画だったが、シチューをよそう時に「くちゃっ」という、この手のドロッとしたものを表現する時に有りがちな効果音を使っていて、ちょっとゲンナリした。
それ以外の部分は、とにかく落ち着いた絵作りで、無駄に激しいカメラの動きや騒がしい音楽に頼らずに3時間近くもある映画の間が持っていることに驚いた。
良い映画だった。
追記。
サミュエル・L・ジャクソンが、老けたな~、って感じでちょっとショックだった。
もう完全にお爺ちゃんだな。
サミュエル・L・ジャクソンは、いかにも映画大好き少年がそのまま大人になった感じで、演技を見ていても「こいつ楽しんでいるな」って思えるので好きな俳優なのだが、今回の「ヘイトフル・エイト」に関しては、そういう「映画大好き演技楽しい」っていうオーラが減じていた。
じゃっかん、年齢からくる体力不足が感じられる演技だった。
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