昔、映画バットマンの監督ティムバートンの、こんな発言を耳にしたことがある。
映像作品とタイアップについて。
最近、地方自治体が萌え系イラスト・ポスターを作って非難される事案がいくつかある。
の追記。
昔、確かティム・バートン版バットマンの第2作の公開直前の話だったと思う。
当初バットマンの映画とタイアップを予定していた、某アメリカの「大手炭酸飲料メーカー」が急遽タイアップを取り止めたというニュースが入ってきた。
理由は「劇中に残酷描写があり、青少年を主たる顧客にしている当社としては、青少年の健全な育成上、この映画とのタイアップはふさわしくないと判断した」という事だった。
それに対して、監督ティム・バートンが反論しているインタビュー映像を、テレビで見た記憶がある。
「子供に有害物質を飲ませて彼らの胃袋を日々腐らせている会社に、俺の作品をどうこう言われる筋合いはない」
みたいな事を言っていて、思わず笑った。
いやいや、その「子供の胃袋を有害物質で腐らせている会社」と、昨日までタイアップしていたの、あんただから。
その炭酸飲料メーカーも炭酸飲料メーカーなら、ティムもティムというか。
まあ、元祖おたくハリウッド監督として既に社会的地位を確立していたティム・バートンが言うと、
「やっぱり、ティムって世間知らずなんだな。まあ、それも含めて微笑ましいよな」
という感じで、思わず温かい目で見てしまうが。
たぶん当時の炭酸飲料メーカーの宣伝担当者も短絡的に勘違いしたんだろうな。
「バットマン=ヒーローもの=子供向け」
みたいな感じで。
ご存知の通り、ティム・バートン監督の持ち味は「一見、子供向けのように見えて、実はダークな物語」だから、そりゃ、最初から相容れないわな。
ちなみに、アメリカのファーストフードチェーンや食品メーカーが頻繁に「子供向けタイアップ」をするのは、一説によると以下のような理由があるらしい。
「まだ味覚が定まっていない幼少期に自社の商品を大量に食べさせて『味覚の刷り込み』を行う。子供の頃に出会った味覚は大人になってもなかなか止められないから、その子供は一生涯、自社の商品を買い続ける」