ブログ・サービスにもコミュニティ(の特色)があったなんて。
常連A「やれやれ、この店も変わっちまったな」
常連B「ああ。人気が出たのは良いが、変な客まで来るようになっちまった」
常連A「この店もそろそろ……」
常連B「俺たちの居場所じゃなくなって来たな」
常連A「他を探すか」
常連B「そうだな」
「はてなブログ」に登録して、ちょっと本腰ブログとやらをやってみようかと思った。
それで「ブログとは」みたいな検索をかけてブログ投稿をしている先輩方の記事を読んだりした。
意外だったのは「昔の『はてなブログ』は○○だった、でも今じゃ○○だ」みたいな事を言う人がいることだった。
つまり「はてなブログ」を単なる便利ツールとしてではなく「はてなブログ村」みたいな一種のコミュニティとして扱っている人がいる。
ブログというのは個人が不特定多数に向けて発信するための単なる「ツール」であり、個々のブログに特色はあっても「はてなブログ」というシステム全体に対して「昔は○○、今じゃ○○」みたいな、そのツールを使っているブログ作者たち全体を包括するような「コミュニティ論」は成り立ちえないんじゃないかと思っていた。
せいぜい「はてなブログのデザインは洒落てるな」とか「アメーバブログのデザインは子供っぽいな」みたいな傾向がある位だろう。
それだって、初期設定がそうだというだけで、どのブログも多かれ少なかれ見た目のカスタマイズは可能なのだから、絶対というほどのこともない。
読者にとって大事なのはブログ記事の内容であり、どのブログを使って書かれたか、ではない。
第一、いち読者として見た場合、そのブログ記事を読む理由は、例えば「ミステリ小説のレビューが面白いから」とか「映画のレビューが面白い」とか「レストランのレビューが面白い」とか、個々のブログの魅力であるはずだ。
その作者が使っているサービスを指して「はてなブログ」だから面白いとか「アメーバ」だから面白いとか言う読者はいないだろう。
読者にとっては、記事の内容が大事なのであって、その記事のアドレスが「hatenablog.com」か、それとも「ameba.jp」かを気にしている読者なんて居ない。
たまたま興味のある言葉でグーグル検索したらヒットした記事が、それだった、というだけで。
それなのに、なぜ「はてなブログは……」みたいな事を言う人が居るのか。
おそらく、読者の都合ではあるまい。作者の都合だ。
そういう記事をよくよく読んでみて分かったのは、どうやら何らかのランキングで上位になるための傾向を指して「はてなブログはこういう傾向」「○○ブログはこういう傾向」と言っている事だった。
どんなブログ・サービスにもホームページには必ず「今日の人気記事」のようなコーナーがある。
ブログ・サービスのホームページに載るか載らないかで、その記事の読者数は大きく変わる。
それこそ「承認欲求」ではないが、ブログを書いている以上、誰だって多くの読者に読んでほしい。
多くの読者を獲得するためには、自分が使っているブログ・サービス運営のホームページにある「今日の人気記事」にランクインされるのが一番手っ取り早い。
どうすれば「今日の人気記事」ランキングに載るのか。
どのブログ・サービスも「今日の人気記事」の選定はプログラムによって自動化されているはずで、ランキングの上下を決めるにあたっては、「いいね」や「スター」などの「会員読者による投票行為」が重要な役割を担っているはずだ。
ここでやっと「はてなブログ特有のコミュニティの傾向」という話が出てくる。
はてなブログの会員になっている読者(その一部は当然ブログ作者でもある)は、どんな記事を好み、どんな記事をブックマークし、どんな記事にスターを付けているのか。
要するに、「昔の『はてなブログ』は○○だった。それが今じゃ○○だ」というのは、一種のSEO(サーチ・エンジン最適化)の傾向と対策の話をしているのでした、という、ちょっと生臭いオチだった。