「何を選ぶか」という事は、「何を選ばないか」という事だ
たとえば「インターネット空間」という母集団に対して、「あの情報と、あの情報と、あの情報を選ぶ」という事は、その選んだ情報以外の「捨てるべき情報を選んだ」という事と同義だ。
たとえば「ケーキ屋さんへ行って、ショーケースに並んでいる10種類のケーキの中から5種類を選んで買って来なさい」と言われたら、それは「10種類の中から『買わないケーキ』を5種類選びなさい」という事と同じ意味だ。
SNSというのは、よく「誰かと繋がるためのツール」という表現がされるが、それは同時に「繋がりたくない人を除外するためのツール」という事だ。
そもそもインターネット自体が「世界中の情報を繋げた巨大な、開かれた情報空間」である。
文字通りの意味で「誰とでも繋がりたい」と思ったら、別にSNSなんか使う必要は無い。
インターネットの黎明期にみんながやっていたように、自分でホームページを立てて、そこで自分のメールアドレスを全世界に向けて公開しておいて、友人知人に片っ端からアドレスを書いた名刺を配れば良い。
しかし、それをしないでSNSを繋がるためのツールとして使うという事は、繋がりたい相手と繋がりたくない相手を選別したいからだ。
これからもSNS的なサービスは次から次へと生まれるだろうが「誰と繋がるか」と「誰と繋がらないか」の塩梅をどこに置くか、それが重要なポイントになると思う。
そして「繋がる=双方向の通信経路を開く」ためには、自分が相手を選ぶと同時に、相手が自分を選ぶ必要がある。
- 広大なインターネット空間から、私が繋がりたい相手を見つける。
- 相手も、私を見つける。
- 私と相手が繋がる。(その繋がり方)
- それ以外の繋がりたくない相手をブロックする。
この4つの機能をどういう塩梅で実装するか、その量、および色づけが各々のSNSの勝負所だと思う。
2015-10-23
23:49