青葉台旭のノートブック

映画「スパイダーマン:スパイダーバース」を観た。

映画「スパイダーマン:スパイダーバース」を観た。

TOHOシネマズ六本木にて

公式ページ

監督 ボブ・ペルシケッティ、ピーター・ラムジー、ロドニー・ロスマン
出演 シャメイク・ムーア 他

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5回書いたからセーフ。

ひとこと感想

アニメーションについて

明らかにアニメーション表現を次のステージに押し上げた、そう断言できるほどに素晴らしかった。

このアニメーション表現を観るためだけでも、劇場に足を運ぶ価値がある。

テクノロジー的な高さ斬新さも素晴らしいが、芸の細かさも見逃せない。

例えば、日本アニメ風女子高生を違和感なくアメコミの世界観の中で動かす手腕が素晴らしい。
単にアメコミ世界にポンっと日本風のタッチの美少女キャラを置いただけでは、ここまで馴染(なじ)まなかったはずだ。
両方のタッチを融合させるためには、繊細なマッチング処理が必要だったはずだ。

さらに、表情の微妙な動き。
例えば、主人公とスパイダーウーマンが見つめ合うシーンで、主人公の瞳が微かに揺れる。
こういう細やかな表情のアニメーションが良かった。

まず圧倒的なテクニックで魅せて、さらに芸の細やかさでも「ほうっ」と感心させる、素晴らしいアニメーションだった。

オシャレ

そして何より、オシャレ。

ときおり挿入されるジョークも、オシャレ。

ただし、ドクター・オクトパスの登場シーンで「ドック・オック」という呼び名がどうしたこうしたみたいな会話があったが、こういう「観客が最低限のアメコミ教養を持っている」事を前提としたメタ・ギャグは好きになれない。

「この映画を観にくるようなアメコミ・ファンなら、当然、ドクター・オクトパスの愛称くらい知ってるよね?」という姿勢は、少々、傲慢ではないだろうか。

ストーリーについて

正直、ストーリー的に観るべきものは無かった。

「友情・努力・勝利」の少年ジャンプ・テンプレ。

コッテコテのベッタベタ。
いやはや何とも、有りがちなストーリー、としか言いようがない。

ストーリーが有りがち過ぎて、さすがの素晴らしいアニメーションも、クライマックスあたりで飽きてしまった。

敵に倒されて、くじけそうになった主人公が、父親の励ましの声を聞いてもう一度立ち上がる……こんな陳腐なクライマックスを見せられて、どうしろというのか。

細かい設定に関しての説明も無い。

「スッゲー金持ちの悪人が、スッゲー天才の科学者に、スッゲー危ない装置を作らせて世界が滅びそうだから、みんなで協力して阻止する」っていう、ずいぶん投げやりな設定。

キングピンとかいうラスボスが加速装置とかいう物を作らせたのは、死んでしまった妻子を別次元から召喚するため、という設定が一応紹介されるが、ほんと投げやりというか、義務的に動機を解説しているだけ。

さらには何の伏線もなしに、いきなり明かされる、敵の中ボスが実は叔父さんでしたという衝撃の真実……
正直、困惑するだけだ。

結論

素晴らしいアニメーション、洒落た演出、陳腐なストーリー。

2019-03-18 16:52