青葉台旭のノートブック

映画「NY心霊捜査官」をdtvで観た。

映画「NY心霊捜査官」をdtvで観た。

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監督 スコット・デリクソン
出演 エリック・バナ 他

原題「Deliver Us from Evil」
「邪悪な何かが我々に寄越したもの」程度の意味か。

ネタバレ

ネタバレがあります。気をつけて下さい。

ひとこと感想

一応、実話ベースという事になっているが、まあ、この手の「心霊・悪魔祓い」系のホラーでは良くある「設定」
怪談話が必ず「これ、俺の友達の友達が実際に体験した話なんだけど……」と始まるのと同じだ。突っ込むのは野暮というものだろう。

それはそれとして、内容について。

良かった点

  • 画面は、それなりに締まっていた。ゆるい構図というのはそれほど無かったように思う。
  • 役者の演技も、ちゃんとしていた。

イマイチな点

  • 話そのものは、まあ有りがちな「エクソシスト」もの。新しさはない。
  • ガチなホラーをやりたかったのか、ホラー風味のアクションをやりたかったのか。悪魔(に取り憑かれた男)と主人公たちが、突然、ナイフで闘ったり殴りあったりするのは如何なものか。怖さ半減。
  • 「主人公が奥さんと子供を愛していながら最近ちょっとすれ違いの日々」という伏線→「その奥さんと子供が人質になる」→「主人公、本気になる」というクライマックスは、さすがに使い古されてはいないだろうか。
  • エクソシスト役の神父が「かつてはワルだったが今は改心して信仰に身を捧げている」という過去を、その神父役に延々と語らせるという演出は、いかがなものか。また、主人公もかつて怒りに我を忘れて容疑者を殴ったという過去を、これまた主人公に延々と語らせるという演出も、如何なものか。
  • 悪魔に憑かれた男の演技が、いかにもハリウッドに有りがちな「主人公の善悪感を挑発し、逆なでする」演技だった。蛇を連想させる演技とでもいうか……変に首を傾げたり、主人公の顔の前で「しゃーっ」ってやったり。

全体的に、低予算なりに手堅い演出ではあった。
少なくとも、低予算映画に有りがちな「やっつけ仕事のカメラワーク」「だらしのない役者の演技」あるいは逆に「目を覆うばかりの大げさな演技」は無かった。 しかし、それ以上に見るべきものも無かった。

最近のハリウッド映画は、必ず格闘アクションを入れてくる。
ガン・アクションよりもカー・アクションよりも、大事なのは格闘アクション。銃でバーンと遠くから殺すよりも、蹴ったり殴ったりする方がクライマックスとしてスカッとするということか。
しかし「エクソシスト」ものに格闘アクションを接ぎ木するのは、いかがなものか。どう考えても変でしょ。
その割に、クライマックスは警察の尋問部屋みたいな所で神父さんがイタリア語っぽい発音でお経を読み上げたら、悪魔に取り憑かれていた男が正気に戻ってメデタシ、メデタシ、という地味な決着だった。

2018-07-10 06:43