青葉台旭のノートブック

スティーブン・キング「呪われた町」上巻を読んだ。

スティーブン・キング「呪われた町」上巻を読んだ。

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ネタバレ

ネタバレがあります。気をつけて下さい。

ひとこと感想

主人公のストーリーと吸血鬼が絡んでくるまでに、ずいぶんページ数がある。
つまり、登場人物と舞台のセットアップに相当ページ数を割いている。
よく言えば、序盤でのキャラと舞台の描写が丁寧。
悪く言えば、物語が動き出すまでに時間(ページ数)をかけすぎのような気もする。
話そのものの新規性は少ない。よく言えば定番、悪く言えば有りがちストーリー。

田舎町があって、吸血鬼が人知れず侵略を開始し、よそ者のヒーローと、田舎町の保守性に反発するヒロインがいて、二人は恋に落ち、さらにヒーローの助手として高校教師が登場する。

典型的な「ホラー風味ハリウッド・アクション・エンターテイメント」を小説に置き換えたような感じだ。

スティーブン・キングも、映画監督のスピルバーグらと似て、古典的で有りがちなB級ストーリーを現代的なテクニックで洗練させた上で再生産させる所に持ち味がある作家と見た。
映画監督のスピルバーグの場合、洗練させるための道具は特撮技術であり、演出法であり、客を飽きさせないストーリー展開なわけだが、キングが古典B級ホラーを洗練させるために選んだ手法は、キャラの造形を丹念に行うということか。

続けて下巻も読む。

2018-07-07 08:36