はてなブログからの転記

スターウォーズ以降ハリウッドは挙って神話の研究を始めたが、日本には別のアプローチから同じ結論に達したメディアがあった。

最初のスターウォーズは……これは映画として上映された最初のスターウォーズすなわち「エピソード4」の事だが、やはり当時、飛びぬけて優れた作品だったと思う。

最初のスターウォーズの凄さは色々あるが、SF映画の中に「神話的な構造」を「自覚的に」導入したのはジョージ・ルーカス監督が最初というのは有名な話だ。

スターウォーズの成功以降、ハリウッド映画界は「ヒットする映画の方程式としての神話の構造」に注目し始めた。

それは私なりに要約すると「平凡な少年(一見平凡に見えて実は高貴の生まれ、も含む)が、導いてくれる年長者や旅の途中で出会った仲間と一緒に数々の困難を乗り越え、最後に敵から宝物を奪って故郷に帰ってくる」というものだ。

この基本ストーリーにのっとって、それぞれの映画で「アレンジ」を加えていけばヒット間違いなし、というわけだ。

例えば「平凡な少年」の部分を「スラム街で育った不良少年」にして、「導いてくれる年長者」を「厳しくも優しいトレーナーやコーチ」にして、「最後の敵」を「世界チャンピオン」、宝物を「チャンピオン・ベルト」にすれば、そのまま現代劇に出来る。

ところが同じ時期、全く別のアプローチで、この神話の構造を「たった三つの言葉」で表したメディアが日本にはある。

1980年代の週刊少年ジャンプは、この神話の構造を「友情・努力・勝利」というシンプルな三語で表現してしまった。

一説によると、少年ジャンプが毎週行っていたハガキ・アンケートで「好きな言葉ランキング」の結果が「1位・友情、2位・努力、3位・勝利」だった事から、雑誌に掲載する漫画の基本路線をこれに決めたらしい。

神話の構造を研究しつくしたハリウッドと、読者アンケート至上主義と言われた週刊少年ジャンプが、偶然にも同じ価値観に行きついたというのは面白い。

*以下、宣伝。

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青葉台旭・作
ハーレム禁止の最強剣士!

自作の小説です。よかったら読んでみてください。

2015-12-03 18:30